2025年9月25日、福岡市にて「みらいPitch」第3弾が開催されます。
本イベントは、地域の中堅・中小企業(地域未来牽引企業等)が持つ課題や新規事業の構想を発信し、スタートアップ、大学、研究機関、金融機関などとの共創を促進するものです。
第1弾は2024年9月に東京で、第2弾は2025年2月に名古屋で実施され、多くの企業間連携や新規事業の芽が生まれました。今回の第3弾は舞台を九州・福岡に移し、東北地域の企業も加わるなど、より広域な取り組みとして進化を遂げています。
この記事では、「みらいPitch」第3弾の概要と登壇企業の挑戦、さらに過去の開催実績から見える成果をまとめ、中小企業が本イベントをどう活用できるかを解説します。
「みらいPitch」とは? ― 中小企業の未来を切り拓く仕組み
経済産業省は、地域経済をけん引する企業を「地域未来牽引企業(未来企業)」として選定し、重点的な支援を行っています。
「みらいPitch」はその一環で、未来企業や成長志向の中小企業が抱える課題や共創ニーズを広く発信し、全国の企業・団体とのマッチングを促進するプロジェクトです。
特徴は以下の通りです。
- 登壇企業が自社の課題や新事業構想を発表
- ビジネスマッチングサイト「ジェグテック」上でも共創ニーズを公開
- 経済産業局や中小機構が商談や補助金・知財支援をフォロー
- 企業規模や地域を超えた共創の場を提供
つまり、地域に根差す中小企業が自社の強みを生かしながら外部と連携し、新しい事業機会を切り拓くための“発信と出会いの場”なのです。
「みらいPitch」第3弾(福岡開催)の概要
開催情報
- 日程:2025年9月25日(木)15:00~17:30
- 会場:JR博多シティ10階 大会議室C・D(福岡市博多区)
- 形式:対面+オンライン(Teams)のハイブリッド
- 主催:東北・関東・中部・四国・九州経済産業局、中小企業基盤整備機構
- 共催:九州大学ビジネス・スクール(QBS)
- 対象者:中小企業・中堅企業、スタートアップ、自治体、支援機関、金融機関、大学・研究機関、ベンチャーキャピタル等
プログラム(予定)
- キーノート講演(九州大学ビジネス・スクール 小城武彦 専攻長)
- 未来企業等による共創ニーズ発表(7社登壇)
- 支援施策の紹介
- 交流会(名刺交換等)
登壇企業とテーマ
- ニッコー・ファインメック(岩手県)
「廃棄物から輝きへ~貴金属リサイクルとサステナブルジュエリーの共創~」 - 株式会社カクイチ(長野県)
「エネルギーと防災で社会課題を解決する」 - 日光金属株式会社(栃木県)
「長寿命製品で支える、持続可能な社会」 - 内堀醸造株式会社(岐阜県)
「まだ世界が見たことのない『酢』で農業を豊かに」 - 株式会社ヨコタコーポレーション(徳島県)
「人手不足を解決する自動化のパートナー募集」 - リックス株式会社(福岡県)
「世界のものづくり課題を解決する共創パートナー募集」 - 株式会社SANMATSU(福岡県)
「モノづくりのアイデアを共にカタチに」
今回からは登壇対象が拡大され、東北地域の企業も新たに加わりました。さらに未来企業に加え、中堅企業者や「100億宣言」企業も対象となり、参加企業層は一層多様化しています。
過去開催の実績と成果

第1弾(2024年9月 東京)
関東経済産業局と中小機構が共催し、東京都内で初開催。食品、製造、エネルギー分野などの企業が登壇しました。
「持続可能な農業支援」「脱炭素への挑戦」「AIを活用したものづくり」など、多様なテーマで共創ニーズが発信され、ジェグテック上でも幅広く公開されました。
結果として、多数の中小企業やスタートアップが関心を寄せ、イベント後に具体的な商談や共同開発に発展した事例が生まれました。
第2弾(2025年2月 名古屋)
中部経済産業局を中心に開催され、地域特性を生かしたものづくりや医療分野のニーズが多く発表されました。
特に「カーボンニュートラル」や「医療機器の高度化」といった社会課題解決型のテーマが注目され、スタートアップや研究機関との連携が進みました。
このように、「みらいPitch」は単なるプレゼンテーションの場にとどまらず、**実際に事業提携や共同研究へと結びつく“実践的マッチングの場”**として機能しています。
「みらいPitch」の魅力と中小企業へのメリット
- 広域ネットワークを活用できる
全国の経済産業局と中小機構が関与するため、地域を超えた出会いが期待できます。 - オンラインとオフラインのハイブリッド
現地参加が難しい企業でもオンラインで参加でき、広く接点を持つことができます。 - ジェグテックによる継続的な情報公開
発表された共創ニーズは、ビジネスマッチングサイト「ジェグテック」に掲載されるため、イベント後も商談の可能性が広がります。 - 支援機関によるフォローアップ
中小機構や経産局が補助金、知財、専門家紹介などを行い、共創を後押しします。
中小企業が「みらいPitch」をどう活用すべきか
- 自社の強みを持ち寄り、新規事業や販路開拓の糸口にする
- 登壇企業のニーズに対し、技術やサービスを提案することで共創を実現
- ジェグテックを活用し、イベント後も継続的にマッチングの機会を得る
- 補助金や専門家支援を組み合わせ、共創を事業成長につなげる
特に中小企業の場合、自社だけでは難しい新規市場開拓や技術開発を「共創」という形で加速できる点が大きなメリットです。
まとめ ― 共創で広がる中小企業の未来
「みらいPitch」は、単なるイベントではなく、地域企業が未来に向けて成長するための共創プラットフォームです。
過去2回の開催実績を経て、具体的な事業連携が生まれていることは大きな成果です。そして第3弾では対象地域と登壇企業の幅が広がり、さらに多彩な連携が期待されます。
中小企業にとって、いま求められるのは「単独で戦う」姿勢から「共に創る」姿勢への転換です。みらいPitchは、その第一歩を後押しする場です。
地域に根差しつつ、全国規模での連携を模索する中小企業の経営者・支援者の皆様にとって、本イベントは大きなヒントとなるでしょう。
「みらいPitch」第3弾申込フォームhttps://mm-enquete-cnt.meti.go.jp/form/pub/kyusyu-seichoshien/0925-miraipitch