【2025年最新版】中小企業のSDGsへの取り組み状況と支援制度|SDGsは経営課題の“チャンス”に変わる!

政策

2025年7月に帝国データバンクが発表した「SDGsに関する企業の意識調査(2025年)」によると、企業のSDGsへの取り組みは一部で活性化する一方、特に中小企業においては“取り組みの鈍化”や“余裕のなさ”が浮き彫りになりました。

この記事では、調査結果を中小企業目線で解説するとともに、具体的な支援制度や今後の展望も紹介します。

帝国データバンク SDGsに関する企業の意識調査(2025年)https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250725-sdgs2025/


SDGsに積極的な中小企業は約5割、しかし初の“低下”

調査結果によると、「SDGsに積極的」と回答した企業は全体で53.3%、前年から1.2ポイント減少しました。これは調査開始以来初の減少です。

とくに注目すべきは企業規模別のデータです:

  • 大企業:71.1%
  • 中小企業:50.2%
  • 小規模企業:40.8%

企業規模が小さいほど、SDGsへの積極的な姿勢が弱まる傾向が見られました。

 中小企業がSDGsに取り組めない理由

中小企業から寄せられた声の中には、以下のような理由がありました:

  • 費用や人手が足りない
  • そもそもどう取り組んでいいか分からない
  • 理念ばかり先行している印象
  • SDGsは一部の大企業の話に思える

しかし一方で、「地道にやれることから始めたい」「企業価値の向上につながる」といった前向きなコメントも多数寄せられています。


実際に企業が感じたSDGsの“効果”とは?

取り組みを進めている企業の約7割(69.9%)が、SDGsの効果を「実感している」と回答しました。

 主な効果(複数回答)

  • 企業イメージの向上:40.5%
  • 従業員のモチベーション向上:32.1%
  • 経営方針の明確化:17.3%
  • 採用活動の改善:17.0%
  • 取引拡大・売上増加:11%台

 実際の声

  • 「再生可能エネルギー導入で光熱費の削減に成功」(出版・印刷業)
  • 「車いす対応売場で来店増加と売上増に繋がった」(専門小売業)
  • 「『材料を無駄にしない』取り組みが原価削減にも貢献」(製造業)

SDGsは単なる社会貢献ではなく、“ビジネスチャンス”でもあるという事実が、調査から明らかになりました。


企業が注力するSDGs目標と今後の関心項目

実際に力を入れている目標(複数回答)は以下の通りです:

  1. 働きがいも経済成長も(目標8):34.1%
  2. 気候変動に具体的な対策を(目標13):24.3%
  3. エネルギーをみんなにクリーンに(目標7):24.2%
  4. つくる責任つかう責任(目標12):22.9%

また、今後最も注力したい目標としても「働きがいも経済成長も」がトップ(11.2%)となっており、“人材育成・労働環境整備”に対する関心の高さがうかがえます。


SDGsに取り組む中小企業への公的支援制度

中小企業にとってSDGsは「取り組みたいけれどハードルが高い」テーマです。そこで活用すべきは、公的支援制度です。

 中小企業基盤整備機構の支援

 東京都の支援

 地方自治体の独自支援制度

神奈川県「かながわSDGsパートナー」、兵庫県「ひょうごSDGsサポート制度」など、都道府県ごとに独自の認定制度などがあります。

かながわSDGsパートナー https://www.pref.kanagawa.jp/docs/bs5/sdgs/partner.html

ひょうごSDGsサポート制度 https://web.hyogo-iic.ne.jp/sdgs/


中小企業がSDGsを“ムリなく”始める方法

SDGsと聞くと、どうしても大きな話に感じられがちですが、中小企業でも「できることから一歩ずつ」始められます

 実践のステップ

  1. 自社の業務とSDGsのつながりを確認
    • 例えば、廃棄物削減、職場環境改善、地元雇用の促進など。
  2. SDGs宣言の作成
    • 無料のフォーマットが商工会議所や自治体から提供されています。
  3. 社内への浸透と小さな取り組みから開始
    • ペーパーレス化や省エネ設備の導入など。
  4. 支援制度の活用
    • 融資や補助金を使い、費用面の負担を軽減。

SDGsはCSRではなく、「経営戦略の一部」として捉えることがカギとなります。


まとめ:SDGsは中小企業にこそ“未来への成長戦略”

2025年の調査では、SDGsに対する中小企業の“意欲の低下”が見えた一方で、取り組んでいる企業は着実に成果を出していることも分かりました。

コストや人手の問題があるのは事実ですが、「できることを、小さくても継続的に行う」ことが、将来的な企業価値向上や取引拡大につながります。

また、国や自治体も中小企業向けに多くの支援策を準備しています。SDGsを“経営の武器”として活用することが、今後ますます重要になるでしょう。

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