【東京都の中小企業必見】令和7年度「DX・GX時代を担う専門・中核人材戦略センター事業助成金」とは?

補助金・助成金

DX・GX時代を担う専門・中核人材戦略センター事業助成金」は、東京都内の中小企業にとって、デジタル変革(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)への対応を強化する絶好のチャンスです。本記事では、この注目の助成金について、概要から対象者、申請の流れまでを詳しく解説していきます。

デジタル化・脱炭素化という社会全体のトレンドの中で、経営資源が限られている中小企業にとって、外部の専門人材を活用することは経営戦略上きわめて重要です。東京都ではこうした背景を踏まえ、DX・GX推進の中核となる人材の採用を支援する制度として本助成金を設けています。

DX・GX時代を担う専門・中核人材戦略センター事業助成金https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/senmon-chukaku/boshu/senmon-chukaku.html

事業の目的

この助成金の目的は、東京都内に事業所を持つ中小企業等が、DX・GX分野で活躍できる「専門・中核人材」を雇用する際に必要な費用の一部を助成することで、産業構造の転換に柔軟に対応できる人材戦略を支援し、都内経済の持続的な発展を図ることにあります。

少子高齢化が進む中で、優秀な人材を確保し続けることは中小企業にとって死活問題です。本制度は、採用におけるハードルを下げることにより、企業と人材のミスマッチを解消し、事業成長の原動力となる中核人材の活躍を後押しする狙いがあります。

助成金の対象内容と特徴

令和7年度の本制度では、次のような条件で助成が行われます。

まず対象となるのは、東京都内に事業所があり、常時雇用する従業員数が300人以下の中小企業等です。加えて、東京しごと財団が実施する「人材戦略マネージャーによる企業訪問」および「連携人材有料サービス事業者とのマッチング支援」を受けたうえで、人材採用を行った企業が助成の対象となります。

助成金の対象となる経費は、採用活動にかかる「人材紹介手数料」であり、成功報酬型(成果報酬型)のものが対象となります。

  • 助成率
     正規雇用などのフルタイム勤務の場合は、対象経費の1/2(50%)
     副業・兼業の採用であれば、2/3(約66%)
  • 助成上限額
     フルタイム勤務:100万円
     副業・兼業:50万円

たとえば、DX推進を担うITエンジニアや、GX分野の専門家を副業として迎え入れるケースも助成対象となり得る点が、実務的にも大きなメリットです。

スケジュールと申請期限

申請受付は、採用予定の人材が入社する10営業日前までに行う必要があります。

最終的な申請期限は、令和7年9月30日(火)です。ただし、人材紹介手数料の支払期限が入社日より早い場合は、その支払期限の10営業日前までに申請しなければならないため、スケジュール管理には注意が必要です。

「10営業日前」とは、土日祝日や年末年始などを除いた日数を意味します。可能な限り早めに準備を進め、余裕を持って申請手続きに臨むことが求められます。

助成対象事業の詳細|DX・GXを推進する専門人材の雇用を支援

本助成金の肝は、DX(デジタルトランスフォーメーション)およびGX(グリーントランスフォーメーション)に対応できる“専門・中核人材”を採用する際の紹介手数料を補助する点にあります。

採用される人材の職務内容は、企業の変革を推進する専門性を有するものでなければなりません。単なる人手不足の補填や、汎用的な事務職の採用では助成対象となりませんので注意が必要です。

 対象となる主な職種の例

DX分野

  • ITシステム導入のプロジェクトマネージャー
  • 社内のデジタル化を推進するCIO人材
  • AI・ビッグデータ分析に関する専門職
  • 情報セキュリティ責任者

GX分野

  • 環境配慮型事業戦略を設計・運営できる専門職
  • サステナビリティレポートの策定担当者
  • カーボンニュートラル施策を立案するGX推進担当者

これらのポジションは企業の未来に直結する戦略人材であり、東京都が本事業を通じて重視する人材像に合致します。


助成対象経費の詳細|成功報酬型紹介手数料に限定

助成対象となる経費は、連携人材有料サービス事業者(=東京しごと財団が連携している人材紹介会社)を通じて雇用した際に支払う人材紹介手数料です。

具体的には、以下のような要件を満たす費用のみが対象です:

  • 連携人材サービス事業者に支払った成果報酬型の紹介手数料
  • 採用された人材の就労形態が「正社員」「契約社員(フルタイム)」または「副業・兼業(週8時間以上、3か月以上勤務)」であること
  • 入社後に実際の雇用が確認できること(雇用契約書や給与明細の提出)

また、以下のような経費は対象外となります:

  • 自社や知人紹介で採用した人材にかかる費用
  • 求人媒体の掲載料や広告費
  • 人材紹介事業者以外のサービス利用料(例:エージェントの顧問契約費など)
  • 入社以前の支払いで、助成金の交付決定より前に契約・発注した費用

助成金制度においては、「交付決定前の支出は原則NG」というルールが強く貫かれており、本制度も例外ではありません。


申請方法|事前の訪問支援と連携事業者の利用が必須条件

この助成金の最大の特徴のひとつは、「事前支援」を受けた企業のみが申請可能という点です。

 必須ステップ①:人材戦略マネージャーの企業訪問を受ける

まず、東京しごと財団が派遣する「人材戦略マネージャー」による企業訪問を受け、経営課題の整理や人材要件の明確化を行います。ここで助成対象となる人材像や採用戦略の方向性をすり合わせておくことが、制度利用の前提条件です。

 必須ステップ②:連携人材有料サービス事業者を通じて採用

次に、財団が連携する紹介事業者から候補人材を紹介してもらい、選考・採用を行います。一般の人材紹介会社を経由した場合、連携先でなければ対象外となるので要注意です。

 申請書類

申請に必要な書類には、以下が含まれます:

  • 助成金交付申請書(様式1)
  • 採用予定人材の職務内容と経歴概要
  • 人材紹介手数料の見積書または契約書
  • 「人材戦略マネージャーによる支援」の実施確認書
  • 法人登記簿、就業規則、社会保険加入証明書などの基本書類

これらを所定の様式に従って作成し、提出期限内に郵送またはオンライン提出(指定あり)する必要があります。

審査方法|要件適合と提出書類の整合性がポイント

本助成金は、いわゆる「公募型助成金」ではありますが、いわゆる競争倍率が高いコンテスト方式ではなく、所定の要件を満たし、書類が適切に整っていれば採択される「要件審査型」です。

しかし、注意すべきは、あくまで「形式的な要件を満たせば即交付」というわけではないという点です。

申請内容は以下の観点から審査されると考えられます。

  1. 採用予定人材がDX・GX分野の専門人材であるか
  2. 事前支援を受けた上での採用であるか
  3. 人材紹介手数料の内容・契約・支払い時期が要件に合致しているか
  4. 企業の体制や人材の活用見込みに無理がないか
  5. 必要書類に不備や齟齬がないか

特に、採用後に提出を求められる「実績報告書」においても、助成金の適切な使途と効果の検証が行われます。導入された人材が実際にどのように活用され、企業のDXやGX推進にどのような成果をもたらしているか、定性的・定量的な報告が求められるため、単なる雇用実績だけではなく「活用計画」が重要な審査要素となります。

採択後に要件不備や目的外使用が発覚した場合、助成金の返還が求められることもあるため、誠実で正確な申請・報告が不可欠です。


まとめ|「人材戦略」から始めるDX・GX対応こそが中小企業の未来をつくる

東京都が展開する「DX・GX時代を担う専門・中核人材戦略センター事業助成金」は、単なる採用支援にとどまらず、企業の変革力を根本から支える制度設計がなされているのが大きな特長です。

特に中小企業にとっては、限られた人材と資源の中で、いかにして次世代型の経営モデルへとシフトするかが問われており、その鍵となるのが「中核人材の戦略的な配置と育成」です。

この制度を活用することで、以下のようなメリットが期待できます:

  • 外部専門人材をコスト負担を抑えて雇用できる
  • 組織全体のDX・GX推進力を高められる
  • 経営者自身が人材戦略の重要性を再認識できる
  • 持続可能な事業運営への転換が進む

助成対象となる人材は、単なる技術者や職能担当者ではなく、「経営の変革を支える中心的存在」であり、こうした人材の確保は、今後ますます激化する人材獲得競争において企業が競争力を維持するための最重要戦略といえるでしょう。

もし貴社が、

  • デジタル化に遅れを感じている
  • カーボンニュートラルや省エネ対応に着手できていない
  • 外部の人材を活用したいが、費用面がネックになっている

という課題をお持ちであれば、ぜひこの「専門・中核人材戦略センター事業助成金」の活用をご検討ください。

また、申請を検討される場合は必ず募集要項をご確認下さい。

募集要項(電子申請版)https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/senmon-chukaku/boshu/senmon-chukaku.files/R7senmon_bosyuyoko_denshi_0401.pdf

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