日本スタートアップ大賞2026とは?中小企業・支援者が知っておきたい制度の全体像

政策

スタートアップ支援策というと、ベンチャーキャピタルやIPOを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、国が公式に「挑戦する企業」を称え、社会的評価を高める制度として近年注目を集めているのが「日本スタートアップ大賞」です。

2026年も、経済産業省をはじめとする複数の省庁が連携し、「日本スタートアップ大賞2026」が実施されます。本制度は、単なる表彰にとどまらず、スタートアップや中小企業の成長、さらには日本経済全体の活性化を後押しする政策的な意味合いを持っています。

本記事では、日本スタートアップ大賞2026の目的や募集内容を分かりやすく解説するとともに、参考として日本スタートアップ大賞2025の受賞企業の取り組みも紹介します。

日本スタートアップ大賞2026の目的とは

日本スタートアップ大賞の最大の目的は、「挑戦を称える社会意識を醸成すること」にあります。次世代のロールモデルとなるような、インパクトのある新事業を創出した起業家やスタートアップを表彰することで、起業や新規事業へのチャレンジが正当に評価される社会を目指しています。

特筆すべき点は、売上規模や企業規模だけで評価される制度ではないという点です。社会課題の解決、地域経済への貢献、革新的な技術やビジネスモデルなど、多角的な視点から審査が行われます。そのため、設立年数が浅い企業や、地方・大学発のスタートアップにも十分なチャンスがあります。

表彰部門とそれぞれの特徴

日本スタートアップ大賞2026では、内閣総理大臣賞にあたる「日本スタートアップ大賞」を中心に、複数の表彰部門が設けられています。

経済産業大臣賞として位置付けられる「日本スタートアップ優秀賞」は、特に事業の拡張性や成長性が重視されます。また、農業・水産業分野の革新を評価する「農業スタートアップ賞」、大学の研究成果を社会実装した企業を対象とする「大学発スタートアップ賞」、医療・福祉分野の課題解決に取り組む企業を評価する「医療・福祉スタートアップ賞」など、分野別の賞も充実しています。

さらに、国土交通、情報通信、防衛といった国家的に重要な分野に特化したスタートアップ賞や、特定の評価項目が特に優れている企業に贈られる「審査委員会特別賞」も設けられています。自社の事業領域に応じて、狙うべき部門を意識できる点も本制度の大きな特徴です。

審査基準から見る評価ポイント

審査は主に四つの視点から行われます。第一に「事業のビジョン」です。社会課題の解決や地域経済への貢献、将来的なグローバル展開の可能性などが評価されます。

第二に「事業の新規性・革新性」です。従来の製品やサービスと何が違うのか、どのような価値を新たに提供しているのかが問われます。

第三に「起業のチャレンジ性」です。大企業からの独立、大学研究からの起業、女性や若者、シニア層の起業など、多様な挑戦が評価対象となります。

第四に「事業の拡張性」です。創業後の成長スピードや市場拡大の可能性、将来に向けた発展性が総合的に判断されます。

これらの視点は、そのまま経営計画や事業戦略を見直す際のフレームワークとしても活用できます。中小企業にとっても非常に示唆に富んだ評価軸と言えるでしょう。

応募対象・応募期間・応募方法

応募および受賞の対象は企業単位で、株式会社に限らず、NPO法人や組合なども対象となります。応募は自薦・他薦を問わず可能です。

募集期間は2025年12月23日から2026年1月23日までと定められています。応募は専用のオンラインフォームから行い、企業の基礎情報に加え、事業内容のPR、直近三期分の財務情報などを入力します。

一見すると手間がかかるように感じるかもしれませんが、これらの情報整理は自社の強みや課題を可視化する良い機会になります。支援者と一緒に取り組むことで、より質の高い応募内容に仕上げることも可能です。

日本スタートアップ大賞2025の受賞企業に見る共通点

参考として、日本スタートアップ大賞2025の受賞企業を振り返ってみましょう。内閣総理大臣賞を受賞したTelexistenceは、AIロボットを活用して小売や物流の人手不足という社会課題に挑戦しています。

経済産業大臣賞を受賞したWHILLは、近距離モビリティという新たな市場を切り拓き、高齢者や障害者の移動課題を解決しています。農林水産大臣賞のリージョナルフィッシュは、最先端技術を活用し水産業の生産性向上と地域活性化を同時に実現しようとしています。

これらの企業に共通するのは、「社会課題の解決」と「持続可能なビジネスモデル」を両立している点です。この視点は、スタートアップだけでなく、新規事業に取り組む中小企業にとっても大いに参考になります。

中小企業経営者・支援者にとっての活用価値

日本スタートアップ大賞は、いわゆるベンチャー企業だけのものではありません。第二創業や新規事業に挑戦する中小企業にとっても、自社の取り組みを社会に発信する貴重な機会となります。

また、金融機関、士業、支援機関などの立場から見れば、支援先企業にこの制度を紹介することで、経営者の意識改革や事業のブラッシュアップを促すきっかけにもなります。

まとめ:日本スタートアップ大賞2026を成長のステップに

日本スタートアップ大賞2026は、挑戦する企業を社会全体で後押しするための重要なスタートアップ支援施策です。受賞を目指すことはもちろん、応募を通じて自社の事業を見つめ直すこと自体に大きな価値があります。

中小企業経営者の皆様、そしてその支援者の方々には、ぜひこの制度を「成長のためのステップ」として積極的に活用していただきたいと思います。

応募要項:https://www.meti.go.jp/press/2025/12/20251223001/20251223001-a.pdf

応募フォーム:https://forms.office.com/pages/responsepage.aspx?id=oJQyUSA-skGpcG0wvxVG-n7ZaPKe5M5Cqx6KnhQAVFtUNklTWklQMjBTTTVSMDI3ODQxVEdPT1lBWSQlQCN0PWcu&route=shorturl

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